金沢の有名料亭に産まれたご主人の倉田さんは、55歳の時にそれまでの銀行マンを退き、倉田家の味を伝承するため、60歳で『拍子車』を紫野に構えた。 オープン当初から奥さんとの二人三脚で歩んできた10年。 「2人やとしんどいけど、お客さんの喜んでくれる顔見たら、嬉しくて疲れも忘れてしまう。」と倉田さん。 市内の注文には店を閉め、みずから無料配達に赴くという話には驚きだ。 銀行マン時代の部下70人に味見をしてもらいながら試行錯誤。ゆうに3年間を費やしたという精魂込めて生み出したこだわりの味。 商品を卸してほしいというデパートからの依頼には断り続けた。 「店を大きくすることはできても、自分の目のいき届かんところで、味が落ちては困ります。」 自分のリズムを大切にするのはご主人のモットーとするところ。 『拍子車』という名前にも、そんな思いが込められている。自分のリズム(拍子)、拍子木、とんとん拍子からくる『拍子』と、お客さんと作り手の両輪で歩んでいこうという思いの『車』。 まさに、倉田さん夫婦の誠実な人柄と理想が一つ一つの商品の味にまっすぐ繋がっているということだろう。 |